NO.006




僕は子供の頃空ばかり眺めていた
何故か空を見るのが好きだった、遠くを眺めていたかった
何が楽しかったのか、何を眺めていたのだろうか
今の僕にはわからなくなってしまったみたいで
あの頃の心は無くしてしまったのだろうか?

今の僕にはあの頃見えていた何かを見る事は出来ないのかな?
きっと大切なモノだったように思うのに
どこに置いてきてしまったのだろう
今の僕に取り戻す事はできるのだろうか?

小さな頃楽しくて夢中になっていた筈の事が
今やってみると何にそんなに夢中になっていたのかわからない
たくさんの事を知り過ぎてしまったのだろうか
それとも何かをどこかに忘れてきてしまったのだろうか

毎日夢中になってやっていたサッカー野球にドッヂボール
ただ集める事に躍起になり、チョコが溜まっていくシール
少しでも速く軽くしようと極限まで肉抜きし、クラッシュで大破したミニ四駆
男も女も関係無くただ無邪気に戯れていた懐かしい日々

あの頃夢中になっていたTVゲームを今になってちょっとやってみた
1面~5面をただただ永遠にループし続けているだけ
あはははは!!!何だかバカらしくて、昔とちょっと違った楽しさがあった
あの頃は凄く難しく感じていたのに、今の僕なら何10周も出来る

僕が失ってしまったモノ、変わりに手に入れたモノ
簡単に比べられはしないけれど、どちらが大切なモノなのか
どちらがいいのかはわからないけれど、きっとこれからもずっと
たくさんのモノを得るかわりにたくさんのモノを失っていくのだろう

どこか寂しく、ちょっと切ない気持ちになってしまうけれど
きっとそれでいいのだと思う
何も失わずずっと持ち続けていれば
いつかその重さで動けなくなってしまうだろうから

自分の通った道にその跡を残しながら
僕らはまた前へ進んで行く・・・